[別に、その事を悔いているわけではない……と、思う。多分。
『魔銃継承者』である、という事。
それを理由に、命を狙われた。
正直、それはこちらには選択の余地のない事態だったのだけれど。
厄介事万解決集団に所属し、それなりの業績を上げていたという祖父、そして父は多方面から恨みを買ったり危険視されたりしていたわけで。
自分が二人と同じ道に進むのを良しとしない連中に、不意打ちで命を狙われた。
父が行方知れずになった後に後見人になってくれた人──祖父の相棒で父の上司に当たる育ての親の手で、色々と教えられていたけれど。
言葉で教えられていただけの『覚悟』なんて、実際にその状況になれば──崩れるのも、早く。
半ば、生存本能だけで引いた引き金。
打ち出された銃弾は、その時の最後の一発。
それは、違う事無くこちらにナイフを突き出していた男を貫き、紅を散らした]