>>702
[ズキリとした頭痛に裏手側まで回る前に速度が落ちる。
途中にあった樹木に寄り、左手を側頭部へあて、右手は樹木に突き出し身体を支えた]
…くっそ…。
思い出したく、ねぇのに…!
[頭痛に表情を歪め、背を幹に凭れさせる。
そのままずりずりと地面へ座り込んだ]
[一方、鴉はゲルダと並走するように宙を舞う。
呟きは己が羽ばたきで掠れて聞こえなかったが、先の言葉を聞いているために、ゲルダにも少し心配げな視線を向ける。
自分の契約者が迷惑をかけていると言うこともあっただろうか]
「………! ライ!」
[ゲルダから視線を前方へと移し。
感覚共有で見ていた視界が停止するのに気付く。
どこかに立ち止まったのを感じ、飛ぶ速度を上げた。
自前の視界に、徐々に樹に凭れた青年の姿がはっきりとしてくる]