[ミハイルが照れて頬を掻く様子を見て、ふわりと笑う。手の下の狼が唸るのには、ポンポンと軽く叩いて] …うん。 俺、がんばるから。[自信は無いけれど――ひとりじゃないから。きっと、と思う。 ふわ、と、夢のような甘い香りが漂った。 それは血の赤のどろりとしたそれでなく、 爽やかでふんわりとした春の香り。 肩から下げた鞄の中の白い花のそれ]