[伝わる手応え。銀の剣の中央に走る真紅が、微か、煌いた]
……全てを知るばかりが美徳ではないわ。
己を知るならば、それが最上。
[吟ずるような言葉と共に剣を引いて、軽く、後ろへ下がる。
緋を散らしつつ、引く意思の見えぬ様子に、笑みが深まった]
さて、それではそろそろ、未曾有に問いましょうか。
織り成される綾、その在り方を。
[優美な孤を浮かべたまま静かに宣し、左の手を開く]
……『御霊狩りの星詠み』、参る!
[次いで、上がる、凛とした声。
剣は自身の左へと流し、踏み込みから、右へ向けて横薙ぎの一閃を放った]