当然だろう?
[光は後方に移動し、影は暗く長く伸びる。
すいと両腕を前方に上げて、両腕の影を切り離した。
2つの影は絡み合い、一つの盾となって彼を守るように前方へ]
…さて。
[息を整えるように、一度深く吸い。
足の爪先を軽く捻ってから、地面を蹴り上げる。
足元に残っていた影が一つの黒い塊になり、弾みをつけて上空へ跳ね上がった。
右手で銃のような形を作り、それへと人差し指を向けて]
――散れ。
[撃ち抜くように右手首を上げて、硬質な声が言葉を紡ぐ。
それに呼応するように、黒い塊は幾つかに分裂した。
その一つ一つが鋭い嘴を持つ鴉の形を取り、勢いよく降下して来る]