>>720
俺が気に食わないから、俺を疎むから避けてたんだろう!
そうやってお前も俺のことを──!
「ライ!!」
[聞く耳持たぬとでも言うように矢継ぎ早に叫び続ける。
それを止めようと鴉も大声で青年の名を呼んだ。
青年は錯乱しているようにも見えるだろうか。
みしり、と、青年の叫びに合わせて何かが軋む音がする。
ゲルダからは青年の背後の樹木が小刻みに揺れているのが分かるだろう]
「ライ落ち着け!
お嬢さんはそんなこと思っちゃいねぇ!
お前の考え過ぎだ!
とりあえず気を落ち着けろ。
そうじゃないとまた魔力が──」