―回想/大広間―名札、検分?[素っ気ない言葉>>695が届いてまた顔を上げた。目の前に置かれたのは藍染めの小物入れ。朽ちた鞄の中には見つからなかった品]これ、私のっ![右手を伸ばして中身を確認する。柘の櫛と蜂蜜の飴、軟膏の入った小さな缶。他にも入れていたはずのものが無かったりはしたけれど]ライヒアルトさんが見つけてくれたの。ありがとう。[涙を拭って、くしゃりと崩れた笑いを浮かべ。朽ちた鞄は膝の上に、傷みの少ない小物入れを胸に抱いて深呼吸した]