……かーさんに、置いてかれるの、いや、だったのに。あたしが、かーさん、置いてっちゃう事になっちゃったよ……。[でも、それはもうできなくて。傍で声をかけてても、全然気づいてもらえなくて。それが、いたい。そして、写真を見て自分の名前を呟く母の姿も。見ていて、いたい]……ごめんね……。でも。いつか、また、会える、から。[呟きは、自分に言い聞かせるみたいに。その声が届いた──わけでもないのだろうけれど。母が、はっとしたように顔を上げて、こっちを見た]