[医師の表情に、彼女はきょとりとして尋ねた。]「なぁに? やっぱり会えなかった?」ううん、そういうわけじゃないんだけど……「へえ、すごいじゃない!ね、ね、妖精ってどんな感じだった?」まあまあ、落ち着いてよ。順番に話すからさ。[興奮気味の彼女をなだめながら、短かくて長い、一夜の冒険譚を語り始める。]