それなら別に、俺じゃなくても……。「だって、他の連中じゃまともに鳴らせるかも怪しいし……それに」……それに?「ベルがどんな音鳴らすのか、聴いてみたいんだよ。 ベルの、音を、さ」俺の……音?[自分の音。そんな風に言われたのは、多分、初めてで。屈託ない様子で言い切る友の様子に、戸惑いつつも。差し出された銀のハーモニカを、受け取った]