……しっかたないなぁ……。後で、やっぱり返せ、とか言うなよー?[大袈裟なため息と共にこんな言葉を投げると、返るのは「男に二言はない!」という、こちらもやや大袈裟な宣言。思わず向けた呆れたような視線に、返されるのは真剣な表情で──。直後、弾けるような笑い声が重なり、裏路地から空へと流れ。……間を置かず、ハーモニカの旋律が響き始めた。それまで毎日響いていた音色とは違う、それでいて、それと同じくらいに*楽しげな旋律が*]