―― 狭間の世界 ――[そこで見えたのは、あのゲームを壊した人の姿。 じっと両手を鏡面のような水面に当てて、見ていた。 そこにいられる時間はほんの少し。 すぐにまた1階に戻されてしまう。 けれど、階段を上って、上って、ループの度にそれを見た]………露島先輩[胸の中の複雑な感情が、なんて言葉をかけていいのか分からなくさせるから、毎回一度だけ名前を呼ぶ。授業中、家、寝ている姿。けれど、一番多く姿を見たのは絵を描く背中。その画面からは、すっと目を逸らしていた]