…そうねぇ。
貴方の力を聞いてから、貴方が帰ってこない日々が不安でした。
[>>733苦み含めて言う言葉にも、老女の表情はさして変わらない。穏やかな――どこか幸せそうなもの含んでいるままだ。]
でも後悔はしていないのでしょう?
私も同じよ。
だから、いいのよ。もういいの。
苦労なんて…もう、忘れてしまったわ。
[頬に添えられた手を上から重ねて見上げて。]
若いうちに命を落とすことなく。
貴方との間に子供を産んで、立派に育てて送り出して。
結婚式の聖句の通り、老いるまで貴方と共に在れた事。
それには、私は感謝してますから。
[結末が苦いものだったかもしれないけれど。
後悔は無いとはきと告げて。]