― エラリーと師匠の自宅にて ―
[神魔との会見や「迷い人」との邂逅(……ヤドカリ退治と言った方がいいかも知れない)を経て、漸く戻ったのは自宅の裏庭。
途中見つけた謎の扉の事は、とりあえず考えないことにした]
やれやれ……何とか無事、終了かな今回も。
[修練からの帰還が裏庭なのはいつもの事。
下手な場所に出て他人を驚かせるわけには行かない、と言う配慮でもある。
屋敷まで少し歩いて、表玄関のドアを開ければ、ドアベルが住人の帰宅を告げる]
「お帰りなさいませ、エラリー様」
[迎えたのは、自分がここに来た時から執事を勤める男性で、その彼が、いつになくこちらを見ているのに不思議そうな表情を向けて]
ただいま、って、俺、なんかおかしいかな?
[そう尋ねてみた。一応は次代の当主と使用人の関係なのだけれど、当代の師匠があまり拘らないせいか会話はごく普通に交わされる]