え。
[どうやら想っていた言葉は届いていなかったらしい。
改めて、というには今更過ぎて。
赤い顔で抱きしめられたまま、ぽけっとユリアンを見上げていたら。]
――――え?わ、わぁ!?
[ゼルギウスがユリアンを呼んだ声は聞こえなかったが。
ユリアンがゼルギウスを呼んだ声はしっかり耳に届いて。
思わずおもいっきりユリアンを突き飛ばした。]
わ、あっ、ご、ごめんユリアン。
[突き飛ばした後で、慌ててユリアンを助け起こそうと近づいて。
それから、ゼルギウスとイレーネの方を、少し困ったように見た。顔はまだ赤いまま。]