[問われた執事は、これもまた気さくな表情で笑みさえ浮かべて]
「いいえ。今回はお怪我をなさっていないのだな、と思いまして。ああ、それと、旦那様がお待ちです。いつもの事ですが」
[怪我、と言われて軽く目を逸らして苦笑する。
先の、楽士との一件以来、師匠の修練に戦闘要素がある物が増えた……と言っても、前もってそれと知らされることはないので、大抵不意打ちで怪我をする]
ああ、今回はちょっと、ね。んで、じーさんは何処?
[修練の内容については、あまり他には話さない。説明が面倒なのと、知るべきではない事も含まれるから。
そうして、師匠の所在について尋ねると、意外にも「居間」との答えが返ってきた。
普段は自室か書斎か、或いは書庫の何処かにいるのだけれど]
わかった、ありがとう。
[そう返して、これからの予定について幾つかの相談をしてから居間へと向かった]