あは―――全くもって、そうだね。
いつもは油断させる側だから、ついつい。
[回す鎖を己の斜め左前方と右前方に交互に行き来させる。
一歩、二歩とゆっくりと歩みを進め、不意に大きく腕を引いた]
たまには油断する側も悪かないね!
[右手を前へと伸ばす、初手と似た動き。
違うのは、手首に捻りを加えたことと、完全に手を離したこと。
先の少年を真似るように、その後を追って駆け出す。
異なるのは、鎖は蛇のように不規則な軌道を描き、錘に当たれば打撃を与え、鎖を食らえば動きを絡め取ること。そして何より、戻ることはない。
懐に手を入れ、短刀を掴んだ。詰まりゆく距離]