じーさん、じーさん、そんな「生きててよかったー」みたいな顔すんなっての。
[思わず落としたそれは、多少動揺が混じっていたかもしれない。
師匠が、まるで責任を果たしたような、そんな顔をしていたから]
後を継ぐって言っても、まだ先の話だろ?
俺はまだまだ修行中だし、全然実力が伴ってないんだしさ。
師匠には、まだ色々教えてもらう事があるんだからな!
[冗談めかして、拗ねたような顔をして見せれば、漸く師匠もいつもの表情に戻る]
「それもそうじゃな、ヤドカリも倒せないような弟子を放っては置けんわい」
[そんな声の裏に、何処か照れたような色があるのを俺は聞き逃さなかったけれど]