『あ。そうだ!
これなんてどうかしら?』
[言いながら取り出したのは、ヒラヒラフリフリしたとても女性らしい服]
ちょ!無理!無理無理無理無理!!
嫌だ!絶対嫌だ!アタイにそんなん似合わねえ!!
[顔を真っ赤にして必死に否定するが、母親は楽しそうな顔で]
『ほほほ。
こういうのはギャップがあったほうが審査員の目にも止まりやすいものよ。
それに、レナーテちゃんなら絶対大丈夫。自信持って』
無理だっつの。着れねえっつの。勘弁してくれっつの。
[小さく首をふるふる振りながら、涙目で訴えてみたが、どうも聞き入れてはくれないようだった]