……安らかに眠ってくれ。
おめぇがしたことは確かに許されねぇことだ。
けど、人狼は人を食らわねば生きていけねぇ生き物。
本当は、俺らが魚や動物を食うのと同じなんだよな…。
それ以外は人間と同じ。
少なくとも、俺が逢った人狼はそうだった。
…それを知ってるために、俺は人狼を憎み切れねぇ…。
人狼と人間が共存出来る世界は、訪れねぇのかな…。
[力無い苦笑が墓へと向けられる。ついつい自分が結社を逃げ出した理由の一端を口にしていた。すぐに口を噤むと、一度瞑目してからその場を去った。
その足でヘルムートの別荘へと向かうと、事の次第を使用人達へと伝える。ヘルムートが人狼であったことを知っているのか分からなかったために死した旨のみを伝えた。望まれれば、躊躇った後にも本当のことを伝えるか。必要なことを伝え終えると頭を下げ、フーゴーは宿屋へと戻って行くの*だった*]