でも、それとは別に。
……ありがとう、オクタヴィアンさん。
気づけないままでいたら、俺。
もっと、皆、傷つけるとこ、でした。
[そう言って浮かべた笑みは、ここに来て間もない頃。
老尼僧たちと家族のような時間を過ごしていた頃には、よく見せていたもので。
純粋な想いを込めて聖歌を紡いでいた時の表情だった。
もっとも、表情自体は、傷の痛みに遮られて、長くは続かなかったのだけれど]
……もう、休みます。
ちゃんと、治して、それから。
……歌……届けないと。
[春の陽射しへの願い歌を。
ここにいるすべてのもののために。
今ならきっと、昔と同じ、澄んだ気持ちで歌えるような気がしたから。**]