[きっとまだ少女の胸の痛みは残り続けるのだろうと思う。
それを癒すには時を待つしかなくて。
こちらの世界に来てしまえば、もう何も持っていない自分がもどかしい]
こういう時、みんなに笑顔になって欲しかったから、給仕人になったのですけれどね。
[何かを遺す事もそうだけれど、自分にとっては『今』という時間が一番大切で。
しかしそれはもう、自分から遠く離れてしまった]
……行きましょうか?
他の誰かが居る所に。
[ミレイユから身を離し、そう問い掛ける。
了承が得られたなら、こちら側での時間を刻むために、一歩踏み出すだろう**]