さすがにこれは、かわされるっすか――[既に男の姿の消えた空間を、少女は睨みつけた。 槍先から必死に首を逸らそうとするも、かわしきれず髪の束と赤い飛沫が散る。 直後、がしゃあんと派手な音を立てて、ガラスの剣が砕け散った] ぐっ……[マフラーを湿らす温い液体。悔しさと苦痛に奥歯を噛み] 痛いじゃあ、ないっすか……![右後方へ振り返るより早く、砕け散った剣の破片が少女を迂回しながら、カルロスへ向けて放たれる]