―――花の乙女・壇上―――
[かくして、花の乙女は開催された。
この時を待っていたとばかりに、思い思いに着飾った女性達が次々と出演して、壇上で自己紹介を繰り返す。
―――やがて、レナーテの番が始まった]
『それでは!エントリーナンバー30番!レナーテ=ナッシュさん、どうぞ!
皆様、拍手でお迎えください!!』
[わー、ぱちぱちぱち、という歓声と拍手の中レナーテは現れた]
……うー。
[涙目で、顔をこれ以上ないくらいに真っ赤に染め上げて、ひらひらふりふりした服を着込んで、ゆっくりと正面へと移動する。
その恥ずかしげな様子に、観客は]
『お、おい……』
『あれって、恐怖の大食い娘だろ……?』
『いっつも威勢良い姿ばっかり見てるから……』
『これは……なんかクルものが……』