…[エーリッヒが神話の話を呟くのなら自らも思考を巡らせる。本は読んだことがあったけれどすぐに思い出すのは困難。]アテナの楯…山羊の皮の…――アイ……だめね、思いだせないわ。[それを聞いてかどうなのかエーリッヒが答えに辿り着けば開かれた扉の先、医薬品の匂いが漂う室内が其処にあるだろう。もう一方の扉も開かれた音が聞こえていただろう。]…あら。[振り向いた先に見えた青年の姿。眠っていた男を起こそうとしていた人物だ。]