何だ、まだ居たのか。
「あら、随分な言い方じゃない。
折角待っててあげたのに」
お前のことだからとっくに消えてると思っていた。
[減らない煙草を口に銜えながら、研究責任者と軽口を言い合う。
それは上司と部下と言うよりは、馴染みの相手のようなやり取り。
ゆっくりとした足取りで彼女に近付くと、自分の言葉に笑いを零しながら彼女はこちらを見上げて来た]
「あの子達の行く末を見てあげなくて良いの?」
見守るのは俺の仕事じゃない。
「あの子供には随分と親切にしてた割に冷たいのね」
………ふん。
聞かれたから答えただけだ。