[どう説明したものか、と視線がゼルギウスやミハエル、アマンダへと彷徨う。
彼らも何事か説明を試みただろうか]
証明は出来ねぇが、人狼を殺したことは殺したんだ。
じゃなきゃ、『場』も崩れねぇだろ!
───っぐ…がはっ!
[声を荒げたために胸部に振動が伝わり、痛みと込み上げてくるものに言葉を詰まらせた。
右手が胸を押さえる。
そんな様子を見ても、中央教会の者達は静かにこの場を見極めようとしていた。
人狼が生き残っても『場』が崩れる、その可能性を考えているらしい]
「───ちょいと、失礼するよ」
[そんな最中、張り詰めた空気を裂くように紡がれる、明るめの声。
玄関の扉から、シルクハットを被り、質の良い外套を纏った壮年の男性が中へと入って来た。
男性は中を見回し、中央教会の者達を見、ゼルギウスやミハエル、アマンダを見、最後に、クレメンスへと視線を向ける]