[たんっと草原を蹴って駆ける。
風に靡く紅葉の髪が緑の草原に一筋の色鮮やかな残像を描く。
学院には空を飛べる者もいるから兎耳は晒せないけど]
ぇーいっ!
[最後に大きく一蹴りして草原にゴロゴロ、コロコロ。
いっぱい草切れくっつけてようやく止まった。
大の字に転がって、上下する胸が落ち着くのを待つ。
空の眩しさに帽子のつばを引き下げ目元に影を作る]
あー、よく走った。
やっぱり走るとスッキリするや。
……走りすぎてちょっと痛いけど。
[胸の中央に片手を置いて掌に伝わる鼓動に瞳を閉じる。
モヤモヤしてた何かがシャボンのようにパチンと弾けた気分。
少し遅れて風の運んでくる噂に唇に微苦笑を浮かべ。
ちょっとの間だけのつもりで*目を閉じた*]