[男性の言葉に、周囲の反応はどうだったか。
クレメンス自身、男性に掴みかかりたかったが、身体が動かず俯いてぎり、と唇を噛んだ。
辛うじて動く右手も、拳作り震えている]
「さぁ、これで結果は分かっただろう。
教会に報告を」
[そう言って男性は、中央教会の者達を促し集会場から撤退させた。
もし男性に突っかかる者が居たなら、男性はそれを言葉で説き伏せようとする。
それからクレメンスへと近付き、小声で囁いた]
「…君は、”可能性”を現実のものとしたようだ。
それを見せてくれたお礼に、君にご褒美をあげよう。
精々、君の嫌う運命に抗うと良い」
……なん、だと?
[男性はクレメンスの疑問には答えず、ただ笑みを深めその場を離れた。
では、と他の者にも一礼すると、集会場を去って行く]