―――控え室―――[控え室の一角、その隅でレナーテはどよーんとした様子で膝を抱えて座り込んでいた]……無理。もう無理無理無理。これ以上出来ない。何もいらないから帰してくれ……。[小声でそんなことを呟くレナーテにベア母は、困ったように笑い]『そうねえ。さすがに、あれはちょっとやりすぎちゃったかしら。ごめんね、レナーテちゃん』[そんなことを言いながらも、彼女の頭の中では(よし!掴みはバッチリね!)とか打算的な事を考えていたようだが]