/*>>789>>790 …どこか外へ。ひとの、いないところへ。[戸棚の端を掴む。微かな震えを自覚する指先に、小さな傷が触れた。…これは兄貴が瓶をひっくり返した時のもの。そんなことを、ふと思う] 違う。[兄の言葉に首を横に振る。じっと、表情隠した兄の双眸を見つめた。その奥に揺れる僅かな表情も見逃したくないと思った]