暴れると面倒な方がー、研究対象かなぁ?
[不機嫌そうな少年の声にも動じず、暢気そうな口調で答える]
でも、そうだねぇ。捕まえちゃえば一緒かも。
[二つ目の輪が、少年の足に引っ掛かるのを見て片目を細めた。
少年の足にかかった輪は、急速に直径を縮めると共に、質量を増大させる。
動けないとまではいかないまでも、それなりの枷とはなるだろう]
さーて、どうするのか――って、おっとぉ!
[踏み込みと共に突き出された拳が、左肩に迫っていた。
咄嗟に取り出した輪を重ね盾の代わりにするが、衝撃を殺し切るには至らず。
椅子代わりの浮かぶ三日月を軸に、ぐりんと後方へ回転する]