……ベアトリーチェには悪いけどよう。アタイはこういう華やかな場所は向いてねえんだ。
裏通りとかで、チンピラ相手にくだ蒔いているぐらいが丁度いいんだよ。
[そんな弱音を聞き、ベア母はキッパリとした口調で返す]
『それじゃ、駄目、レナーテちゃん。
苦手なものがあるなら克服するぐらいの勢いじゃないと。
貴方は何でも屋さんなんでしょう?この先、もしも今回のようなコンテストに潜り込まなければいけないお仕事にあったらどうするの?』
……う。
[痛いところをつかれて、言葉に詰まった]
『大丈夫。貴方ならできるわよ。
だって、誰よりも可愛いのですもの。
ま。さすがにうちの娘には負けますけどね。ほほほ』
……うー。
[なんとなく、母親という人種には一生勝てないような気がしてきた]