― ??? ―
[それはいつ頃のことだったろう。
エーリッヒが森に消えてすぐのことか。
それから何年も経ったころか。
幽霊となった娘は、時間の感覚が希薄になっているから、よくわからない。
そもそも、現実ですらなく、夢の中のことかもしれない。
魂の行き着くところへと向かう途中の、世界と世界の狭間でのことかもしれない]
あ。エリちゃん、みーつけた。
[銀の光の中でまどろむ獣>>532>>533を見つけた娘は。
嬉しそうにそう言って、迷わず獣の姿のままの幼馴染へと駆け寄る。
逃げられなければ生前のように、ぎゅーっと抱き締めようと]