[案の定、少女が引く素振りは無く。眼前に広がるのは無数の礫]あー。無理でしょ、これ。[元々大っぴらに戦うのは得意では無くて。闇に紛れて音も無く忍び寄る暗殺を得意とする。故にこのような大技を掻い潜る力はあるはずもなく。男はあっさりと諦めた]けどねぇ、我(わたし)は捻くれ者でもあるんだよ?[その言葉は少女に届いただろうか。男は嫣然とした笑みを浮かべたまま] [──何もせずその場にただ立っていた──][抗われるのを好む少女に対する、ちょっとした嫌がらせ]