随分と余裕っすね――
[何やら食べている物音を聞いてそう呟きながら、破片より数瞬遅れて振り返る。
男はいつの間にやら盾を手にし、破片の直撃は防いでいたらしい。
それでも数の暴力が勝ったのあろう、所々が切り裂かれて紅く滲んでいた]
ふーん。どういう手品か知らないっすけど、あんたも武器持ち替えたりするんすね。
[ただの武人ではないんすね、と、口の中で呟き]
ま、でも――
形に縛られてるのが、あんたの限界じゃーないっすか?
[破片は液体へ、先程見せた軟体動物の如き材質へ姿を変じる。
軟らかきガラスは、そのままカルロスの足へ絡みつき、その動きを封じようと――]