[こちらを見上げて、ボケッとした表情をしたエルザを見て、密かに笑った。
きっと、また裏切ったのだろう。エルザが心中で思っていた言葉とは違って]
ああ、エルザを
[挙動不審なほど瞬くエルザをどこかおかしく見つめながら思う。
なんでそう感じたのか。最初はわからなかった。
どうせ自分のことだから、そんなものを抱くのはきっと珍奇な理由でないか?とでもそこからは辿りつかなかった。浮かんだのは聞くものが聞けば普通とさえ評されるかもしれない。
ただ、昔から幼馴染で、傍にいて。気が許せて。意識を占める量が多くなって
それは本能の自分ではなく。今まで培ってきた出来上がった自分。]
こうして、抱きしめたいと思った。
[考えを裏切るとかではない。単に一番伝えたかっただけ
最もそこに行き着くまでが、長く遅かったが]