[頷く仮面の奥、頑ななまでに浮かび続けていた笑みが一瞬掻き消える>>794
頭を軽く振れば汗に貼り付いた幾本を残して前髪がさらりと揺れた]
[雷が成す剣は青く、けれど揺らめく刃は焔の形に似る。一太刀でも受ければ其れに焼き尽くされるを暗示させるかのもの。
けれど、其れから逃れる術は、恐らく、無い]
[唸りを上げる刃と云う名の獣。其れとも獣は彼自身か。
掛けられる声と同時、低く駆け出すのを見留めてから。敢えて一瞬遅れて走り出す。
静かに収まる水の刃は、走り抜ける勢いに雫を幾つか散らして]
……此処まで、
[胴を袈裟懸けに切り裂かんと身を落としながら振り下ろす右。
同時に振り上げる左手には何も纏わぬ儘、其の仮面を弾き飛ばさんと]
[けれど]