[向けられた表情、その笑顔にボクも笑顔を向けていた]ボクは、変わり者だから。[バカだと、言う彼女にボクはそう答える、たしかに生きている人はいっぱいいて、それでも、ボクにとっての、そして鏡の向こうの彼女は]宮町さんは……、[言いかけた言葉を、ボクは言い直す]春枝さんは。一人だけだから。[幼馴染以外で、初めて自主的に名前で呼ぶ相手。頼まれたのでもなんでもなく、ボクがそう呼ぶと決めた相手。ボクにとっての、特別な存在]