[騒動はその日の内に収束した。娘は雑貨屋で帰りを待つ老婆の許へと帰る事を許された。] ・・・ただいま、おばあちゃん[店番をしていた老婆は娘の姿を見止めると、直ぐに駆け寄りその身を抱きしめて。すすり泣く声を聞いて漸く全てが終わったのだと胸裡は訴える。] …泣かないでよ、僕ならほら…平気だったから[枯れるほど泣いた筈だったのに。其れでも目許が滲むのは何故だろう。娘はそっとその背に腕を伸ばし、暖かな抱擁に想いを馳せた。]