― 自宅 ―
[ガチャリと、扉が開く。>>722
弟と二人、パッと顔を上げて立ち上がった]
おつかれさま、パパ。
[駆け寄って、左右からぎゅうと抱き付く。いつも、冬の森から帰ってきた時にするのと同じように。
娘はそっと、弟が抱き付いている父の左手を見た。大きくて立派な手。そこに紅い跡は見られず、ほっと息が漏れる]
ほら、マリオン。パパも温まらないと。
[母の近づいてくる気配に、抱き付いていた力を緩めて弟の手を取り一歩下がった。
抱擁交わす二人>>722から伝わるのは、絆の深さ。
ポロリと一筋、頬を何かが伝った*]