─自分の家のある筏─
[筏の隅に座り込み、カルメンはオカリナを奏でる。
紡ぎだされるのは集会場でも奏でた鎮魂歌。
悼むのは、あの事件で犠牲になった全ての者達]
[死してしまえば皆同じ。
それがカルメンの考え方。
如何に力を備えて居ようが、陸の宗教を信仰していたわけでは無い。
そして今はその力も失ってしまっている。
故にそれに縛られることも無かった]
…みんな、かいほう、された、かな。
[集会場に居る間、皆の魂はずっと視えていた。
あの時はまだ場に囚われていたためだろう。
視えなくなった今、彼らはどうしているのだろうか。
オカリナを奏でる手を止め、見えぬ瞳を天に向けながらそんなことを思った]