[そんなイレーネの援護があったなどとは知らず、頭を振りながら立ち上がると、背後で起きた選考に背筋をびくりと縮こまらせながら、振り返るとどうやらロミの魔法にイレーネが視界を奪われるような形になったのが見て取れた]
うわ、拙い……。このままじゃイレーネさんやられちゃう。
[慌てて援護に向かおうとダガーを構えようと――]
うわわわわわっ!? ダガーが砕けてる!? 剣ならいざ知らず、何かわからない攻撃で砕くなんて……。
[やっぱり男……とは今度は口にしなかったが目が口ほどにモノを語っていたりする。
とにかく、武器が砕けていては勝負ならないと、ウェポンブースト以上の魔力を残った柄に篭め始めた]
『世界に満ちたりしマナよ。亡きモノに生前なる形と力を与えよ。其の姿は永遠たる神の武器たる輝きをとじ込めて――』
ウェポンリバース!
[カオスワードを唱え終えた瞬間、砕けた刃部分に炎が凝縮したような青色をしたショートソード程度の長さをした魔力の刃が生み出されていた]