……呆れてる、かな。[ぽつり、呟く。思い返すのは、己を育ててくれた修道院長。教会の者を追い返す際、有力者でもあったその名をちらつかせもしたから、多分、自分がここにいる事は知られているだろう]でも……さ。俺、ようやく見つけられそうなんだ。……俺が、俺として、生きてる意味。俺が、本当に歌いたい、願いたいものが。[だから、と言いつつ手を触れるのは、胸から下げた銀十字架]だから……俺は。ここで、生きます。[言いながら、銀色を握り締めて。それから、空を見上げて、呼吸を整えた]