― 墓地 ―[朝方――…鐘は高く澄みわたりて。死者を弔うように、明日を生きるものの刻を刻むように。弟の墓前で娘は漸く弟と向き合う事を決めたのか、その場にしゃがみ込み石碑に彫られた名を見詰め。長い間と静寂が辺りを包み―――] …今までこの日に来なくてごめんね。 今日は、君の命日、だもの、ね…[苦々しく笑みを湛えながら、冷たい墓石に縋りついた*]