[体重までも乗せたのが功を奏したのか、エーリッヒが思ったより距離を空けて後退した。だが、まだ完全に立ち直っていないのか、片膝をついた体勢のままであった]
(一気に決めてやる――!)
[これでも、...は数十箇所の戦場を渡り歩いた経験があるベテランであると自負している。それを変わった青年相手に負けてしまうのは、彼の持ったプライドが許さなかった。
体の前方に構えた槍の柄尻に右手を当てて持ち、エーリッヒに背中を向けるほど捻ると、まるでゴムによって加速をつけたように撃ち出した!]
喰らえ!
[弾丸と見間違える速度で、ハルバードが空中を駆ける。しかも、...はエーリッヒに当たる寸前に手首を返し、回転までも加えた一撃を放つ――]