……何でも、って、あのねぇ……。[は、と一つ息を吐き。向かいに座った姉から向けられる眼差し。軽く、蒼を伏して、直接あわせる事は避け]……最初は、さ。単に、弾くのが楽しかった。でも、その内、わかんなくなった。なんのためにやってるのか、どうしてやってるのか。……そんな時に、さ。エーリ……一年前の事件の時にいなくなったヤツが、ね。俺の『音』を聴きたい、って言って、それで、あのハーモニカ、初めて吹いて。