他から何かを奪って初めて現れるもの。
……そうしないと、そこに在れないもの。
そう、考えると、寂しいんだけど。
だからこそ、逆に、何よりもって、求められるんだろうな。
[その対価はあまりにも大きいけれど、と。
崩れたコレットと、駆け出したミケル──ただ見送るしか出来なかったあの時の様子を思い、呟く。
前後のやり取りまでは知れぬ。
けれど、互いに傷を与え合ったと察する事のできる様。
ここから触れるは叶わぬ領域だけれど。
いたいな、とふと、思った]
羨ましい……って、なんで?
[そこに重ねられるものは知らぬから。
示された思いに、疑問は素で零れ落ちる。*]