[夜半、ふと目が覚めた。窓の外には欠けてゆく銀の月。それに静かに照らされる白銀の世界]……。[無感動にそれを見つめる。甦る記憶。朱と緋と紅の幻視。それに折り重なる二つの蒼]………。[優しい温もり。冷たい何か。だがそれもすべて、通り抜けてゆくだけ]『諦めるなよ』[響いた声もどこか遠く]