その為に、多くを騙した
ベアトリーチェも俺のような奴と一緒に場に巻き込まれなかったらもちっとマシな最期になっただろうに
俺に殺せと言われて、その通りに動いて、挙句に裏切った
鬼の所行だな――。切欠はあの子にあったとはいえ、俺は自分が生き残る為に彼女の死まで利用した。
ユーリーは、嫉妬で殺した。誰からでもよかったが、彼女の傍にいつもいられる奴が羨ましかった。
それから先は、ただの証明を説く為だけの、式を描く材料として殺していった。
人の命だ尊厳だ、そんなもので心を震えさせようともそれは反射的なものでしかない
上辺で取り繕って、その実、考えていたのはただ神に挑む為に殺人を犯すこと
獣に劣る。だが、獣じゃない。
獣はこうも複雑な思考を必要としない。獣は生きる為に人を殺し糧とする。
だがどうだ、俺の棋譜だったら、彼女もまた俺と同じように考えてくれない限り、死ぬのは俺だ。
まことどうしようもない殺人鬼だ。自らも殺した。